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杏林二十一の会 分子栄養学の研修会

 (当院スタッフによる研修会参加レポート)

 京都カイロプラクティック研究所(あんじゅ庵)から杏林予防医学研究所(山田豊文所長)は徒歩5分のご近所さんです。地の利を生かしてという訳ではないのですが、当院スタッフは分子栄養学の研修会へ積極的に出席しています。

 

 勉強した内容が思い出に変わらないように、患者さんへのアドバイスに生かせますようにと、出席したスタッフにレポートを書いてもらうことにしました。

第20回 杏林二十一の会 研修会参加レポート 
テーマ「あなたの子供を成功に導くCHQの法則」
講師 杏林予防医学研究所所長 山田豊文先生
京都カイロプラクティック研究所スタッフ 
葦原絵里香
2005年09月21日

様々な影響を受ける胎児

 

人間の脳細胞は胎児期に盛んに細胞分裂を行うため、この頃の母親の栄養状態が生まれてくる子どもの脳の形成にとって大変重要であると言われています。

 

例えばミネラルは脳の神経細胞の情報伝達に重要な役割を果たしており、様々な酵素も神経細胞の活動に働いているため胎児期、乳児期に栄養失調になると、知能の遅れがみられると言われています。人間の脳は出生後1年で約80%が完成し、3歳までに神経回路が決定してしまうので一度出来上がった神経回路は別の回路には組替えられないと言われています。そのため3歳までの栄養は脳の形成にとって最も重要であることがわかると思います。

 

脳は他の組織に比べると脂肪が約60%と多く、そのため良質の脂質を摂ることが脳にとって重要となってきます。母乳中には質の良い脂肪酸、脳を構成するアミノ酸であるグルタミン酸、アスパラギン酸が含まれているので、授乳期には母乳を与えることが脳の形成に関しても良いことがわかります。

 

また、栄養だけでなく胎児に供給される酸素量も知能の発達に影響を与えます。臍の緒の圧迫、臍の緒が首に巻きつくこと以外にも車の排気ガス、受動喫煙を含むタバコの煙、ストーブ、湯沸し器の不完全燃焼など母体が一酸化炭素、窒素化合物の影響を受けた場合にも、胎児への酸素不足はおこっています。

 

特に大変危険であるのが妊婦の喫煙です。ニコチンの作用によって臍の緒、胎児の血管が収縮するため血流量が減少してしまいます。そうすると、胎児にいきわたる栄養も酸素も減少してしまいます。さらに喫煙によって高濃度の一酸化炭素が胎児の血液に入ることで、酸欠状態をひきおこしてしまいます。実際に、妊振中に喫煙し、その喫煙本数が多い程生まれてくる子どもの知能が低いというデータも報告されています。他にも喫煙妊婦においては流産や低体重児が生まれるリスクが高くなるとも言われています。また妊婦の飲酒によっても胎児の栄養不足、発達障害、知能障害が引き起こされる恐れがあります。授乳中における飲酒も母乳を通じてアルコールが乳児に入ってしまうので、危険です。

 

また胎児は水銀や鉛などの有害金属の影響を直接受けます。これは胎児は神経細胞が未完成で、バリア機能をもつ血液脳関門が未成熟なためで特に中枢神経への影響が心配されます。

 

有機水銀はほぼ100%吸収され、脳に移行すると脳神経を侵すこともあります。なるべく水銀を含む恐れのあるマグロなどの大型回遊魚を避けることが望ましいです。また農薬などは脂に溶けやすいので動物性脂肪を多く含むもの(牛乳、肉の脂、バター、ラード等)はなるべく避けることを心がけたいです。これらの他に、食品添加物や洗剤などの化学物質にも注意が必要です。

 

私たちの身の周りにはたくさんの有害化学物質があふれており、胎児、乳児は成人よりもこれらの影響を受け易いため、厳重な注意が必要です。胎児として母親の体内にいる時からすでに母親を通じて様々な化学物質にさらされているということを心に留めておく必要があります。そして妊婦や乳幼児を持つ母親は子どもへの化学物質の害を最小限に止めるように生活自体も見直していくことも必要ではないでしょうか。

 

Nutrition 栄養のお話

 

- contents -

●はじめに 
●1億総半病人時代、そして誰もに訪れる「生活習慣病」 
1.ビタミン・ミネラルの働きこそが生命の本質
2.病院の検査で「異常」が見つからなければ「正常」!? 
3.栄養素は食事で摂れる、摂れない!?
●アメリカ合衆国政府が「現代病は食生活の間違いで起こる“食源病”である」と断定 


●私のインフルエンザ観 
1.はじめに 
2.「インフルエンザウイルスVS体内の免疫力」ー たとえれば戦争みたいなもの 
3.まず、敵であるウイルスの性質を良く知ろう。感染症であることをお忘れなく 
4.免疫システム第一段階~第二段階 免疫細胞が大活躍 
5.免疫システムを強化する一騎当千の戦士達(1)
6.迎え撃つ身体軍の一騎当千の戦士達(2)「ビタミンACE」 
7.迎え撃つ身体軍の一騎当千の戦士達(3)「フリーラジカル・ターミネーター」 
8.腸内細菌叢の正常なバランスを維持する 


●鳥インフルエンザはSARS以上の脅威 ~からだの免疫力は温存したい~ 


●牛乳(1)カルシウム源としての牛乳
●牛乳(2)牛乳と病気
●牛乳(3)加工乳と乳飲料


●杏林二十一の会 分子栄養学の研修会 (当院スタッフによる研修会参加レポート) 
京都南カイロプラクティック研究所から杏林予防医学研究所は徒歩5分のご近所さんです。地の利を生かしてという訳ではないのですが、当院スタッフは分子栄養学の研修会へ積極的に出席しています。 勉強した内容が思い出に変わらないように、患者さんへのアドバイスに生かせますようにと、レポートを書いてもらうことにしました。


第11回杏林21の会 「受験に勝つための食事学」  
第12回杏林21の会 「LGS リーキーガット・シンドロームと腸の健康」 
第14回杏林21の会 「現代医療を考える(2)」  
第17回杏林21の会 「ビタミンCと解毒」 
第18回杏林21の会 「含流アミノ酸と解毒」 
第19回杏林21の会 「有害物質の氾濫と解毒の重要性」
第20回杏林21の会 「あなたの子供を成功に導くCHQの法則ー生命の基礎となるリン脂質」 
第25回杏林21の会 「ファスティング ビフォケアとアフタートリートメント」
第27回杏林21の会 細胞から元気になる食事~あなたを「生かす食事」「殺す食事」 
第28回杏林21の会 細胞から元気になる食事 (2)  
第30回杏林21の会 レシチン 「水と油をつなぐコーディネーター」   
第35回杏林21の会 油を変えれば人生が変わる「トランス脂肪酸の問題 第2弾」 
第42回杏林21の会 肝臓をよくする20のプログラム

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