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杏林二十一の会 分子栄養学の研修会

 (当院スタッフによる研修会参加レポート)

 京都カイロプラクティック研究所(あんじゅ庵)から杏林予防医学研究所(山田豊文所長)は徒歩5分のご近所さんです。地の利を生かしてという訳ではないのですが、当院スタッフは分子栄養学の研修会へ積極的に出席しています。

 

 勉強した内容が思い出に変わらないように、患者さんへのアドバイスに生かせますようにと、出席したスタッフにレポートを書いてもらうことにしました。

第18回 杏林二十一の会 研修会参加レポート 
テーマ「含硫アミノ酸と解毒」
 講師 杏林予防医学研究所所長 山田豊文先生
京都カイロプラクティック研究所スタッフ
「含硫アミノ酸と解毒1」葦原絵里香 
「含硫アミノ酸と解毒2」塩川清子
2005年07月20日

含硫アミノ酸と解毒(1)

 

タンパク質は我々の体の臓器や筋肉、ホルモンや酵素を形成する大変重要な成分です。このタンパク質はアミノ酸から構成されており、アミノ酸の組み合わせの違いによって様々な種類のタンパク質が存在しています。自然界ではおよそ500種類のアミノ酸が発見されていますが、そのうち20種類のアミノ酸の組み合わせにより10万種類ものタンパク質が構成されています。

 

アミノ酸のなかでも構造中に硫黄(S)を含むものがあり、これらを含硫アミノ酸といいます。具体的にはシステイン、メチオニンがこれにあたります。含硫アミノ酸には水銀やカドミウムなどの有害金属をくっつける作用があるため、体内の有害金属を排泄する作用があるといわれています。

 

我々が日々口にする大部分の食べ物には必ずと言っていいほど、農薬、環境ホルモン、有害重金属等の人体に有害な化学物質が含まれているのが現状です。しかも、環境汚染によって水や空気までもが汚染されているので、現代の生活において有害化学物質を全く取り込まないことは不可能と言えるでしょう。

 

体内に取り込まれたこれらの有害化学物質は、体の正常な代謝を妨害するなど様々な不調をもたらすと言われています。そこで私たちができることは体内からこれらの化学物質を積極的に追い出すことではないでしょうか。

 

先程述べた含硫アミノ酸には体内の有害金属を排泄する作用があるので、これらを多く含む食品、イワシ、サンマ、アジなどの青魚等や大豆、大豆製品を積極的に摂っていくことが体内解毒につながります。

 

他にもセレン、ビタミンC、食物繊維の摂取や発汗等によっても有害化学物質を体外へ排出、または毒性を弱めることができると言われています。

 

また、ファスティング(断食)も有害化学物質を体外へ排出すると言われていますが、さらに内臓を休めさせることによってその機能を回復させる効果等もあり、現在注目されています。自分自身の健康維持のために、何らかの方法で積極的に有害化学物質を排出させることが私たちには必要ではないでしょうか。

 

含流アミノ酸と解毒(2)

 

最近何かと話題になっているデトックス(解毒)ですが、今回は「硫黄を含むアミノ酸=含硫アミノ酸」で解毒というお話です。テレビで取り上げられている断食道場や泥パックでの解毒は少々手間がかかりそうです。また、ほうれん草やリンゴなど有機野菜を使った解毒ジュースは飲みにくく長続きされない方が多いようです。

 

もう一つの方法として、セレン・亜鉛・ビタミンCなど、含流アミノ酸を多く含む食品やサプリメントを摂取して毎日の生活の中に手軽に解毒を取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

●キレートとは、体内から(有害)ミネラルや老廃物を取り除く方法の一種で、Chelationの「Chele」はギリシャ語で「爪でつかむ」を意味する。キレート療法の用途は、体内に蓄積された水銀などの重金属を排泄などがある。アミノ酸、ハーブ類による「ナチュラルキレーション」が人間の体に副作用のない方法として注目されている。

 

●含流アミノ酸を多く含む食品は、イワシ・サンマ・アジ・青背の小魚。硫黄化合物である硫化リアルは、ニンニク・ニラ・ネギ・タマネギなどに多い。

 

●アミノ酸は体内でどのように吸収されるか

 

  • タンパク質は一万個以上のアミノ酸が結合した複雑な構造

  • 食事として摂取したタンパク質は、そのままでは吸収できないので、アミノ酸やペプチドの単位までいったん分解し、再び体内でタンパク質に組み直される。

 

≫≫タンパク質はアミノ酸として利用できるまでに3~4時間かかる。高齢者は消化酵素の分泌量が少ないので、さらに時間がかかる。アミノ酸として利用される前に体外へ排出されてしまう量が多い。

 

  • アミノ酸サプリメントの利点

  • アミノ酸が直接摂取できる。

  • タンパク質のように分解する必要がないので、吸収が早く効率がよい。

  • 食事だけでアミノ酸の必要量を撮るのに比べ、摂取カロリーオーバーの心配がない。

  • 人間が本来持っている自然な解毒能力を取り戻す。

 

○胃酸による分解

 

○腸壁のバリアー能力

 

○腎臓の血液ろ過・有害物質の除去

 

○皮膚の新陳代謝、皮膚呼吸、発汗による毒素の排泄

 

  • 生活環境が汚染された結果、様々な有害金属が体内に蓄積している。

 

≫≫◇ファスティングによって脂肪を燃焼させ、脂肪組織内に取り込まれた有害ミネラルやダイオキシンを体外に排出させる。

  • 過食により内臓が酷使され、解毒の役割を担う肝臓や腸が疲弊している。

 

≫≫◇ファスティングによって内蔵機能を回復し、本来の解毒能力を高める。

 

≫≫◇栄養素の吸収を妨げる有害な物質を体外に排出し、正常な代謝を取り戻すことが重要である。

 

編注:2016年、杏林予防医学研究所検定商品「ヘンププロティン」は、含硫アミノ酸(メチオニン・システン)が豊富です。含硫アミノ酸、マグネシウム、亜鉛、銅、ビタミンB6などを材料にメタロチオネインがつくられます。

Nutrition 栄養のお話

 

- contents -

●はじめに 
●1億総半病人時代、そして誰もに訪れる「生活習慣病」 
1.ビタミン・ミネラルの働きこそが生命の本質
2.病院の検査で「異常」が見つからなければ「正常」!? 
3.栄養素は食事で摂れる、摂れない!?
●アメリカ合衆国政府が「現代病は食生活の間違いで起こる“食源病”である」と断定 


●私のインフルエンザ観 
1.はじめに 
2.「インフルエンザウイルスVS体内の免疫力」ー たとえれば戦争みたいなもの 
3.まず、敵であるウイルスの性質を良く知ろう。感染症であることをお忘れなく 
4.免疫システム第一段階~第二段階 免疫細胞が大活躍 
5.免疫システムを強化する一騎当千の戦士達(1)
6.迎え撃つ身体軍の一騎当千の戦士達(2)「ビタミンACE」 
7.迎え撃つ身体軍の一騎当千の戦士達(3)「フリーラジカル・ターミネーター」 
8.腸内細菌叢の正常なバランスを維持する 


●鳥インフルエンザはSARS以上の脅威 ~からだの免疫力は温存したい~ 


●牛乳(1)カルシウム源としての牛乳
●牛乳(2)牛乳と病気
●牛乳(3)加工乳と乳飲料


●杏林二十一の会 分子栄養学の研修会 (当院スタッフによる研修会参加レポート) 
京都南カイロプラクティック研究所から杏林予防医学研究所は徒歩5分のご近所さんです。地の利を生かしてという訳ではないのですが、当院スタッフは分子栄養学の研修会へ積極的に出席しています。 勉強した内容が思い出に変わらないように、患者さんへのアドバイスに生かせますようにと、レポートを書いてもらうことにしました。


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第12回杏林21の会 「LGS リーキーガット・シンドロームと腸の健康」 
第14回杏林21の会 「現代医療を考える(2)」  
第17回杏林21の会 「ビタミンCと解毒」 
第18回杏林21の会 「含流アミノ酸と解毒」 
第19回杏林21の会 「有害物質の氾濫と解毒の重要性」
第20回杏林21の会 「あなたの子供を成功に導くCHQの法則ー生命の基礎となるリン脂質」 
第25回杏林21の会 「ファスティング ビフォケアとアフタートリートメント」
第27回杏林21の会 細胞から元気になる食事~あなたを「生かす食事」「殺す食事」 
第28回杏林21の会 細胞から元気になる食事 (2)  
第30回杏林21の会 レシチン 「水と油をつなぐコーディネーター」   
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