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開院以来36年の信頼と実績
あんじゅ京都カイロプラクティックは、開院以来36年でのべ20万人を超えるみなさまにご愛顧を頂いてきました。有り難いことに、リピート率92%と多くのご支持を頂いております。
1997年
『WFC(世界カイロプラクティック連合)カイロプラクティック世界大会 TOKYO』 において、
DREAM CHIROPRACTIC CLINIC「CLINIC院長」として来場者の治療及び「最終日講師」を担当。
また実行委員として招待講演一部の司会担当
第1章
サブラクゼーション
サブラクゼーションとは、隣接関節構造の正常な力学的、解剖学的、生理学的関係の変調をいう。このサブラクゼーションにより関節の正常な可動性が減少した状態をフィクスセーションという。フィクスセーションは関節包等の軟部組織の拘縮や脊柱固有筋のトーヌスの減少又は亢進などにより起こる。サブラクゼーションの中で関節の安定性が消失した状態をハイパーモービリティという。
フィクスセーションを起こしている椎体の上下にはその可動減少を代償するために関節はより多くの動きを要求されるようになり、ハイパーモービリティを起こすことがある。
1.1 サブラクゼーションと筋との関係
サブラクゼーションが靭帯や関節の固有受容器を興奮させ、そのために求心性神経が脊髄や中枢神経に影響し、最終的には脊柱固有筋やその他の筋を異常に興奮させてしまうのである。一方、サブラクゼーションが原発性ではなく他の器官、例えば内臓の異常によりγ神経が絶えず抑制を受けて、脊柱固有筋や周囲筋の筋緊張が変化しサブラクゼーションを起こすことがある。
サブラクゼーションを理解するには筋との関係を知る必要がある。DenslowやCloughによる実験では、サブラクゼーションを起こしている部位を触診で見つけ、電極を差込み筋の活動状況を調べた。その結果、サブラクゼーションが起こっている部位の脊柱固有筋に筋反射状況が存在し、一方対照部位にはそれらが存在しないことがわかった。このことからサブラクゼーションを起こしていると脊柱固有筋の活動が活発化されていることがわかる。
外傷などで椎間関節が炎症したとすると、関節からの固有受容器が興奮し脊髄において、そのレベルやその上下で運動神経を興奮させる。運動神経の興奮は脊柱固有筋の収縮となって脊椎を引っ張ってしまう。この状態で可動触診(可動触診)をすれば脊椎が可動していないのが診られる。脊柱固有筋の筋緊張は腓腹筋のスパスムとはちがい、その状態が長時間持続して保たれる。椎間関節が自然に治癒したとしても、固有筋の緊張はそのまま残る。その状態でサブラクゼーションが長時間持続すると、脊椎のまわりの靭帯や関節包は収縮が起こる。そのまま関節が動かないと、固有筋は廃用が起こり最終的には萎縮してしまう。脊柱固有筋のトーヌスの変化は上記の外傷以外にも姿勢の不均等や内臓からのγ神経の抑制、姿勢反射の異常、緊張性頚反射等の神経反射の異常など多くの原因が関与している。
筋のトーヌス↑↓ → 関節の可動性の減少 → 関節包等の拘縮
→ 脊柱固有筋の廃用
何らかの原因でサブラクゼーションがおこり、それが脊柱固有筋に緊張を起こさせ、筋緊張がサブラクゼーションを長時間持続させてしまう。又は他の原因で脊柱固有筋が緊張しサブラクゼーションを起こさせるか、どちらにしてもサブラクゼーションと脊柱固有筋との関係は重要である。
脊柱固有筋以外の大きな筋は間接的にもサブラクゼーションと関連している。例えば、縫工筋は寛骨の前面を安定させる筋である。これが筋緊張が低下すると寛骨前面の安定を失い、後方へサブラクゼーションを起こしやすくなる。一方、縫工筋が緊張していれば寛骨は前方に引かれる。可動触診で寛骨を診ると前方から後方への動きは制限されている。この場合、縫工筋が緊張したからとか、弛緩してしまっているからという理由だけで後方又は前方寛骨になるのではない。縫工筋の緊張が低下した状態で長時間歩行したりすると、寛骨は運動力学的により後方へのストレスが生じ、その状態でフィクスセーション固定化されてしまう。また、縫工筋のγ神経が抑制を受ける状態では拮抗筋のα神経が興奮し錘外筋は緊張した状態になる。同様に共同筋や安定筋なども筋トーヌスに変調をきたしている。この状態では寛骨はより後方への圧力をくわえられるのである。
1.2 脊椎の可動触診
サブラクセーションにより関節の可動性が減少してくると、可動触診(可動触診)により検出することができる。筋による関節可動性の減少と関節そのものによる減少では可動触診では違った感触で表れる。この関節の可動性の減少をフィクスセーションという。
関節のフィクスセーションには筋性のフィクスセーションと関節性のフィクスセーションがある。筋によるフィクスセーションでは可動の始めから一定の抵抗感があるが可動性は感じることができる。この抵抗は最後までほぼ一定である。また関節の遊びは存在している。一方、関節そのものによるフィクスセーションでは、可動域の始めから強い抵抗感があり関節の可動性が極端に減少しているか、可動域の初はあまり抵抗感はないが途中で突然強い抵抗が感じられる。また、関節の遊びはなくなっている。
実際の可動触診では筋と関節とのフィクスセーションが混同していることがあるので注意が必要である。
脊柱固有筋によってサブラクセーションを引き起こしているときは、その筋を引き伸ばす方向に抵抗感がある。また、椎体を被っている脊柱周辺筋である大きな筋が収縮しているときは、収縮している部分が被ってる全ての椎体に均一な抵抗感が表れる。
胸部では肋骨の可動が減少していると、関節を成し得ている椎体の可動性は減少している。関節性のフィクスセーションの様な抵抗感を感じるときがある。ハイパーモービリティでは椎体の可動性が全体的に柔らかく感じ、浮いているような感触を呈している。